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染めても染めても退色する髪色:退色を防ぐ方法

ヘアカラーの基本
ヘアカラーによって得られる髪の色は、天然のメラニン色素と染毛剤の色が組み合わさって作られます。ヘアカラーによって髪の天然色素が取り除かれると、その変化は永続的です。しかし、染めた色は時間が経過するにつれて徐々に退色していきます。

極端な退色の原因
頻繁な全体染めにより、特に毛先に向かうほど髪の天然色素が薄くなり、髪自体のダメージが蓄積されます。その結果、色を保持する能力も低下します。例えば、毎月1cm伸びる髪を毎月全体染めすると、20cmの長さの髪の先端部は20回の脱色を経て、深刻なダメージが蓄積されることになります。このため、暗めのカラーを施しても、色持ちは非常に短くなります。

多くのホームカラーを行う人々も、同様にこの問題に直面しています。自分でカラーを行うと、特に技術的な制限や正確な知識の不足から、不適切なカラーの塗布や過剰な脱色が発生しやすく、極端な退色や髪のダメージを引き起こす可能性があります。そのため、脱色を伴わないヘアマニキュアやヘナの使用を検討することが望ましいです。

多くの美容室で採用されているリタッチ技術では、ヘアカラー後のシャンプー前にコーミングなどを行い、リタッチ部分の薬剤を既染部に伸ばし、色の均一性を出す方法があります。しかし、この手法で得られる色の均一性は数日しか持続せず、コーミングによって伸ばされた薬剤による追加の脱色とダメージを及ぼすため、得られる効果に対し、残る悪影響は全く割に合わないと言えます。このような短期的な視点ではなく、長期的な視点でお客様の髪の健康を第一に考える必要があります。また、一部の美容室では、ヘアカラー施術時にトリートメントを同時に行い、髪の傷みを軽減できると主張して、積極的に全体染めを勧めています。しかし、この方法でもダメージを完全に防ぐことはできず、傷みを多少軽減するだけで、脱色による追加ダメージは避けられません。

提案:効果的なリタッチ戦略
持続的な髪の美しさを保つために、全体染めはなるべく控え、リタッチを中心に行うことが大切です。それを成功させるための適切な色選びは、髪の健康を保ちながら、美しい外見を維持するための重要なポイントです。経験豊富なSuzeは、一人一人の髪質やご希望に合わせた最適なカラーリングをご提案いたします。

大人女性のヘアスタイルに対するアプローチと優先順位

私は美容師として30年以上の経験を持ち、初期のキャリアではデザインとトレンドに重点を置いて活動していました。現在は、中高年女性の髪の特性を理解し、適切なヘアケアを実施することに専念しています。若いお客様には、美容室に訪れたその日に完璧なスタイルを通じて特別な1日を実現することが求められますが、大人女性には毎日が安定して満足のいくヘアスタイルで過ごせるよう配慮が必要です。

大人女性のヘアスタイル成功のためには、以下の三つの優先順位を設けています。

1、素材感と清潔感の重視:艶やかで健康的な髪は大人女性にとって非常に重要です。サロンでの施術が髪の健康にどう影響するかを慎重に考慮し、ダメージを避けながら適切なヘアケアを行います。同時に、清潔感を保つことで、髪の美しさと共に品格ある印象を演出します。

2、ボリューム感の強化:年齢と共に減少する髪の量を補うため、ボリュームを保つカット技術や独自の仕上げ技術を使用します。若い頃と同じボリュームを持っていても、見た目にボリュームが感じられないことがあるため、自然なボリューム感をもたらし、見た目にも豊かさを感じさせるスタイルを実現します。

3、手入れのしやすさ:日常のケアが容易なスタイルを選択することが重要です。加齢により細くなり、チリ付やうねりがちな髪も効果的に管理できるよう、手入れが簡単で、同時に髪の健康を維持できるスタイルを提案します。

また、トレンドも重要な要素ではありますが、これを追い求めることで、素材感やボリューム、手入れのしやすさといった基本要素を犠牲にするべきではありません。これらの優先順位に基づき、一人ひとりの髪の状態に合わせた最適なアドバイスを行い続けることを心がけています。トレンドも考慮しつつ、大人女性が日々を自信を持って過ごせるようサポートします。詳細なケア方法や具体的なテクニックについては、追って新たな記事で紹介する予定です。

今回の提案は主に大人の女性向けですが、若者へのメッセージもあります。若い時期は髪が健康で元気なので、いろいろなヘアスタイルやカラーを楽しむのがおすすめです。思い切って新しいスタイルに挑戦して、将来的に後悔のないようにしましょう。若い頃に様々な髪型を経験しておくと、大人になってから無理なカラーリングをしなくなる傾向があり、美しい髪を保つことに繋がります。

「おしゃれ染め」と「白髪染め」の語彙の限界と進化

「おしゃれ染め」と「白髪染め」:進化する概念と表現の限界

ヘアカラーを説明する「おしゃれ染め」と「白髪染め」という用語は、時代とともに進化しています。かつて明確だったこれらの区別も、現代のヘアカラーの多様性を前に、その限界が顕著になっています。

従来の区別:

  • おしゃれ染め:トレンドやファッションに合わせた染色
  • 白髪染め:白髪をカバーすることに特化したカラーリング

この区別は、使用される技術や薬剤の違いに基づいていました。しかし、現在のヘアカラーテクニックはこれらのカテゴリーを超えて進化しています。特に白髪染めは、単に白髪を隠すだけでなく、自然に馴染ませたり、髪全体のデザインの一部として活用する方法も増えています。

現代の課題:

  1. 固定的カテゴリーの限界:従来の「暗め=白髪染め」「明るめ=おしゃれ染め」という分類はもはや適切ではありません。
  2. 個別ニーズへの対応:お客様の求めるスタイルや髪質によって、色の選択や染め方は大きく異なります。
  3. 誤解のリスク:これらの用語を使った区別は、現代のヘアカラーの多様性を正確に反映しきれず、混乱を招く可能性があります。

Suzeの取り組み:

  • 目的としての用語使用は容認しつつ、薬剤分類への適用は避けています。
  • 新しい語彙や表現を積極的に取り入れ、個々のニーズに合わせたカウンセリングと施術を提供しています。
  • ヘアカラーを単なる色変更ではなく、お客様の個性を引き立てる要素として捉え、常に最新の価値観を生み出しています。

結論:
「おしゃれ染め」と「白髪染め」という従来の区分は、現代のヘアカラーの複雑さを十分に表現できません。Suzeでは、これらの限界を認識し、より柔軟で個別化されたアプローチを採用しています。

美容師が見た体形と座り方と姿勢の深い関連性

私は美容師として、お客様に美しく手入れがしやすいヘアスタイルを提供するために、カット時のお客様の座り方や姿勢に細心の注意を払っています。この姿勢への細かな配慮が、より正確で自然なカットを可能にします。正しい姿勢で座っていただくことで、ヘアスタイルが日常生活での自然な動きにも美しく馴染み、維持しやすくなります。

この取り組みを通じて、体形、姿勢、そして健康との間には密接な関連性が存在することに気づきました。

痩せ型の方に猫背が多い理由について述べます。猫背の傾向がある方々の多くが痩せ型であり、椅子に浅く座る「仙骨座り」と呼ばれる姿勢を習慣づけていることが非常に多いことを確信しています。痩せ型の方は、尻部に十分なクッションがないため、仙骨で座面を支えざるを得なくなります。この姿勢は腰痛の原因としてよく知られており、また猫背のリスクを高めることも知られています。長期間にわたるこの姿勢の継続は、姿勢の問題を超え、骨格の変形にまで発展する可能性があると考えられます。

しかし、痩せ型の体系でも美しい姿勢で座る人たちの多くは、背中の丸みなどの問題がなく、腰痛などにも悩んでいないことを観察しています。この問題は、体形を問わず、仙骨座りをするすべての人に共通の健康上のリスクがあります。確かに痩せ型の人にこの傾向が特に見られますが、座り方が健康に与える影響はすべての人にとって重要です。

ヘアスタイルの提案を超えて、このメッセージをお客様に伝え、日々の生活での健康管理に役立つ貴重なアドバイスになることを願っています。

毛量調整に対するネガティブな意見に対する見解

毛量調整に対する一部の美容師の懸念は、しばしば経験不足や誤解、あるいは極端なこだわりから生じることがあります。私は毛量調整を支持する立場から、この技術が適切に行われた時にもたらされる好影響をお伝えしたいと考えています。

自動車の運転を例にとると、運転には事故のリスクが伴いますが、それを理由に全く運転しなければ、得られる利点もありません。毛量調整も同様で、リスクを完全に避けることは可能かもしれませんが、それによって得られる髪の美しさやスタイリングの幅、日々のケアのしやすさなどのメリットを逃すことになります。適切に行われた毛量調整は、髪の質感を尊重しつつ、扱いやすさを向上させ、スタイリングの多様性を広げ、日常のお手入れを楽にします。

お客様が日々のお手入れで合格点を目指すのか、完璧を求めるのかによって、そのアプローチは異なります。私たちは、お客様一人ひとりの目標やライフスタイルに合わせたヘアスタイルを提案し、両方の目標に対応できるように心がけています。

毛量調整に伴うリスクや懸念は、適切な知識と技術、お客様への丁寧なアフターケアの説明によって最小限に抑えられます。経験の浅さからくる不安も、学びと実践によって解消されることが多いです。美容師が毛量調整を含む技術を習得し、お客様のニーズに応える能力を高めることで、満足度を向上させることができます。

私がこれまで多くの美容師と仕事をしてきた経験から見て、毛量調整に対して否定的な意見を持つ美容師の中には、非常に几帳面で神経質な傾向がある方が多いことが分かります。美容師はヘアスタイルが全体として美しくまとまることを最優先に考えるべきですが、中には、表からは見えない切断面の仕上がりにまで極端なこだわりを示し、時には本来の目的を見失い、手段と目的が入れ替わってしまうことがあります。美容師が技術的な完璧を追求するあまり、客観的な美の基準を見落とすことが起こり得ます。毛量調整は適切に行われれば、髪の扱いやすさを改善し、お客様の日常生活に実用的な利益をもたらすことが多いのです。

Suzeでは、特に中高年の方々にも適した、アイロンやスタイリング剤の使用を前提としない独自の毛量調整理論を提案しています。これにより、お客様の髪の美しさと健康を長期間保つことを目指しています。

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毛量調整の必要性:ヘアスタイルを形作るための技術

毛量調整は、個々人の髪の量の「分布」に基づいて行われます。図1は平均的な毛量の人の髪の分布を、図2は毛量が多い人の髪の分布を表しています。これらの図では、それぞれの区画に同じ本数の髪が生えているとし、自然な状態でどのように髪が重なるかを数値で示しています。髪が生えている場所と自然に落ち着く場所によって、髪の重なる本数は大きく異なります。この毛量の不均一性を整えることで、望ましいヘアスタイルを実現することができます。

特に毛量が多い人の場合(図2参照)、毛量の分布の不均一性がより顕著になります。求められるスタイルに応じて、さらに緻密な毛量調整が必要になるのです。毛量調整を怠ると、スタイルに必要な形や動きを再現するのが難しくなります。ほとんどのヘアスタイルは、実際には何らかの毛量調整を必要としており、適切に行われた毛量調整は見た目の美しさ、スタイリングの容易さ、そしてスタイルの持続性を向上させます。このため、毛量調整はリスクを伴う技術であるにもかかわらず、我々はそれを積極的に行うのです。

重めのヘアスタイルであっても、毛量の不均一性や過剰な毛量を見過ごすべきではないというのが私の考えです。重量感のあるスタイルを実現するにあたっても、髪の量を適切に調整することは、スタイルの均一性と維持に欠かせない要素です。

確かに、より自然で無垢な、まるで手を加えていないかのようなスタイルを求める際には、後頭部の重さを残すなどして毛量調整を意図的に行わないこともあります。また、個々の髪の癖や生えグセによっては、毛量調整を行うことで得られるメリットよりもデメリットが目立つことがあり、その場合には毛量調整を行わない選択をすることもあります。さらに、お客様が自宅でのスタイリングに多くの時間を割けない、またはスタイリング技術に自信がない場合にも、毛量調整を行わない選択をすることがあります。これらの状況では、毎日のセットに時間をかけたくない、またはその能力に限界がある場合を考慮し、より管理しやすく自然に見えるスタイルを提案することが重要です。毛量調整はあくまで一つの手段であり、その適用は100%ではなく、スタイルや個人の髪の特性、生活スタイルに応じて柔軟に行うべきです。

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毛量調整:美容師の賛否を分ける理由

美容業界では、毛量調整(髪を減らす技術)に対する意見が大きく分かれています。これは、技術の進化と共に、顧客の求めるスタイルが多様化し、美容師の技術へのアプローチも変化してきたためです。

約50年前、ヨーロッパでハサミによるカットのテクニックが体系化されたことは、日本を含む世界中の美容技術に大きな影響を与えました。しかし、東洋人特有の髪質や骨格の違いは、西欧人向けに開発されたこれらの技術がそのまま適用できないことを意味していました。特に日本では、硬くて毛量が多い髪質や独特の骨格を持つ人々のために、独自の技術が発展してきました。

時代が進むにつれ、より軽やかで動きのあるスタイルへの需要が高まりました。1990年代から2000年代にかけて、美容技術は技術重視からより感覚的な仕事へと大きくシフトしました。ソバージュスタイルが衰退し、ヘアスタイリング剤がムースからワックスへと移行した変化の時期を例に挙げるとわかりやすいでしょうか。これらの変化は、感覚と技術の対立という形で、美容業界内でも顕著になりました。特に「毛量調整」技術の使用は、軽やかなスタイルを求めるニーズに応える手段として広まりましたが、その教育や体系化の難しさから、技術の乱用とその弊害が顕著になりました。

このような背景のもと、美容師の間で「毛量調整」技術に対する意見が二分されるようになりました。一方では、「毛量調整」技術のデメリットが強調され、その使用を避ける美容師が現れました。一方で、技術をさらに発展させ、アップデートを続ける美容師も存在します。私の視点では、技術力の高い美容師ほど毛量調整を効果的に活用し、一方で技術に自信のない美容師はこの技術の使用を躊躇する傾向が見られます。このような環境下で、「毛量調整」に対する見解の違いは、美容師の技術的背景、教育、そして創造性の多様性を反映していると言えるでしょう。

我々Suzeは、施術や教育が難しく、誤った方法で実施すると失敗につながりかねない「毛量調整」という技術にあえて挑戦し、必要に応じて積極的に行う美容師の集団です。しかし、このアプローチを取る理由は何か、その背景にはどのような考えがあるのかについては、次回の投稿で詳しくお伝えする予定です。美容師としての私たちの哲学と、技術に対する深い理解に基づく行動原理を、さらに詳しくご説明します。

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ノンジアミンカラーの限界

ノンジアミンヘアカラーは、パラフェニレンジアミン(PPD)を含まない製品で、PPDによるアレルギー反応を避けたいと考える人々に向けて開発されています。しかし、弊店での調査結果とメーカーや問屋からの聞き取り調査によると、既にPPDでアレルギー反応を経験した人は、ノンジアミンヘアカラーを使用した際に高い確率で交差反応とみられるアレルギー症状を示すことがあります。この割合は、統計学上有効なサンプル数を得ていないため、明確には述べられませんが、既にPPDでアレルギー反応を経験した人は、一般的に伝えられているアレルギー反応が起こる確率よりもかなり高いことが示唆されています。

ノンジアミンヘアカラーの限界

1. ノンジアミン製品はPPDの代替成分を使用していますが、化学的に類似しているため、交差反応を引き起こすリスクがあります。これにより、かゆい、かぶれるといったアレルギー症状が再発することがあります。

2.染色効果と持続性: ノンジアミン製品はPPDを含む製品と比較して、色の濃さや鮮やかさや持続性が劣る可能性があります。

3. 個人差の影響: アレルギー反応は個人によって異なり、ノンジアミン製品が一部の人にとって安全であっても、他の人には反応を引き起こす可能性があります。

4. パッチテストの重要性: 使用前のパッチテストが非常に重要です。これにより、製品に含まれる成分に対する個人の反応を事前に確認できます。

5. 専門家のアドバイス: 特にPPDアレルギーを持つ人は、ヘアカラーを使用する前に皮膚科医やアレルギー専門医の相談を受けることが推奨されます。

結論

以上を踏まえると、PPDアレルギーを持つ方にとってのノンジアミンヘアカラーの有効性には限界があると認識する必要があります。これは、アレルギー反応のリスクが依然として存在し、反応の頻度が一般的に伝えられているよりも高いことを意味します。したがって、ノンジアミン製品を使用する場合でも慎重な検討と適切な対策が不可欠です。

ジアミンアレルギーに対して厳格な対応を取る方針のもと、弊店ではジアミンアレルギー対策を目的として、PPD(パラフェニレンジアミン)と構造的に似た成分に置き換えた商品の取り扱いを控えています。これには、PPDと構造的に似ているがジアミンを含まない「ノンジアミンカラー」という名称で販売されている商品も含まれます。

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Suzeがリタッチにこだわる理由

私たちはリタッチの推奨を熱心に行っています。リタッチに重きを置くその理由をお伝えします。

ヘアカラーは、脱色と染色を同時に行うという仕組み上、髪に一定のダメージを与えることが避けられません。脱色は髪の天然色素を取り除く工程で、一度脱色された髪の色は永遠にその状態として残ります。一方、染めた色は時間の経過とともに退色していきます。

何度も全体染めを繰り返すと、髪の根元と毛先のカラーの履歴が異なるため、ムラや傷んだ印象を与えることになります。特に毛先には何度もカラーのダメージが蓄積され、より退色しやすい髪となり、全体染めを繰り返す悪いサイクルに入ってしまうため、その影響は大きいのです。

根元から毛先までの均一な髪色を維持するための最も効果的な方法は、リタッチを繰り返すことです。リタッチは新しく伸びてきた部分だけを染める方法なので、脱色とダメージの蓄積を防ぎ、均一な色を維持することができます。

特に、髪の質感を重視する中高年の女性にとっては、リタッチの方法は避けられない選択となります。キューティクルの弱化が少ない元々髪質が良い方でも、長期的に見ればリタッチのメリットは大きいのです。

リタッチ中心のカラー習慣にしていくためには、使用する薬剤の選び方が非常に重要です。ヘアカラーの色素はいくつかの原色から構成されており、それぞれの色素によって色持ちが異なります。ある程度退色しても程よい色を保つための配合の薬剤を選ぶことが必須です。

ヘアカラーだけでなく、ヘアマニキュアにおいてもリタッチ中心の選択が推奨されます。ヘアマニキュアはダメージが少ないとされることから、安心して何度も同じ色で全体染めを行う方がいます。しかし、これには落とし穴があります。残っている色と失われた色のバランスを考慮せず、何度も同じ色を重ねると、色が重なって濁ってしまうことがあります。
そのため、リタッチ中心で続けられる色を選ぶことが大切です。これにより、髪色が濁ることを防ぎ、美しい髪色を長く楽しむことができます。

また、毛先まで染める際には、失われた色を正確に見極めて、必要な色だけを適切に重ねる技術が求められます。これにより、髪全体がより自然で美しい仕上がりを実現することができます。Suzeでは、そのような技術と知識を持ったスタイリストが対応いたします。

ジアミンアレルギーへの厳格な対応:Suzeの方針

ジアミンアレルギーとは、主にヘアカラー剤などに含まれる化学物質「パラフェニレンジアミン」に対するアレルギー反応のことを指します。一度アレルギー反応を示すと、以後の接触でも強い反応を示し、場合によってはアナフィラキーショックとなることもありますので、使用時には十分な注意が必要です。

私はSuzeの立ち上げ前、一日の来客数100~200名を抱える大型美容室で店長として活動していました。この役職にあったからこそ、多くのお客様の相談を受け、解決の糸口を求める役目を果たしてきました。特にアレルギーを持つお客様の声は、その中でも繊細な問題として取り扱われていました。

「アレルギーはあるが、白髪染めをしたい」というお客様の声を受け、我々は様々な方法を導入・試みました。現代の美容室でよく採用されるゼロテク技法や、頭皮への保護オイル、さらには薬剤への保護剤の混入などがそれです。しかしながら、これらの手法であってもアレルギーやその末に起こるアナフィラキーショックのリスクを完全に排除することはできません。

これらの方法は完全に無駄ではないものの、その効果の限界を理解することが非常に重要です。私が過去に何度も目にしたのは、アレルギー対策の技法で施術した、前回の施術では大きな問題がなかった、という理由だけで、次回も安全だと安易に考えることからの重篤なアレルギー反応でした。これらの反応は、顔や首にも長期にわたり影響を及ぼすことがありました。実際、その影響は深刻で、入院することになったお客様もいらっしゃいました。

お客様も美容師も、その結果に大変な後悔を感じることとなりました。

物質による人体への影響を評価する際、「種類」「濃度」「接触時間」という要素が重要ですが、アレルギーの場合はさらに厳格な対策が求められます。特にアナフィラキーショックなどの重篤なアレルギー反応のリスクに対しては、物質の存在自体を避ける必要があります。これは、食品安全管理、医療ガイドラインなど、さまざまな領域で採用されているガイドラインに基づいています。

そういった経験を踏まえ、ジアミンアレルギーを抱えるお客様にジアミンやそれに似た成分を含むヘアカラーを続けることを一切やめる決断をしました。我々Suzeでは「少しマシ」手法ではなく、より根本的なアプローチを模索しました。その成果として、Suzeの特色あるスタイルが誕生しました。

Suzeでは、ジアミンフリーであるヘアマニキュアやヘナを従来から普通の技術として取り入れていたことで、ジアミンアレルギーに対して厳格に対応することが可能でした。もしこの代替案がなかった場合、他の多くの美容室と同じように、なんとなくジアミンを避けるという不確実な対応を続けていたかもしれません。

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