「ヘアマニキュアはすぐ落ちる」と耳にすることがあります。
しかし、私たちSuzeの技術者やお客様の体感としては、「そんなに悪いものではない」というのが率直な実感です。むしろ、条件を整え、正しい理解と技術で施術すれば、一般的なヘアカラーに劣らない持続性を発揮します。
大原則として、ヘアマニキュアは髪の表面――つまりキューティクル層の浅い部分に色素を吸着させて発色します。これは内部に浸透して化学反応を起こすヘアカラーとは全く異なる仕組みです。したがって、色持ちを左右するのは「どれだけキューティクルが整っているか」「染料が均一に定着できる状態か」という点になります。
色持ちを悪くしてしまう主な条件は、次のようなものです。
1元々の髪質としてキューティクルが乏しい、またはダメージによって剥離している
2ヘアカラーの履歴があるなど、毛髪表面の状態が不均一
3過去にアルカリ剤、またはヘナを併用するタイプのHC染料で染めた履歴がある髪
また、ヘアマニキュアの染料はプリンターのインクと同じように「三原色+黒」で構成されています。色ごとに特性が異なり、中には退色しやすい色も存在します。
したがって、「持ちの悪い色素を組み合わせた配合」は当然ながら退色が早くなります。この原理を正しく理解して調色している美容師は意外と多くはありません。
次に、塗布技術の影響も大きい要素です。ヘアマニキュアは皮膚にも染まってしまうため、頭皮につけない“ギリギリのライン”を狙って塗布します。この際、美容師の技術・考え方・塗布精度によって仕上がりに大きな差が出ます。場合によっては「そもそも根元までしっかり染まっていない」ということもあります。
さらに、こめかみやもみあげなど、塗布しにくい箇所の白髪が早く気になることで「色が落ちた」と感じやすいケースもあります。これは実際には染料の退色ではなく、“見える場所の染まり具合”による心理的な印象差です。
以上のように、髪質・染料の組み合わせ・技術的要素の三点を正しく理解し、適切に対応すれば、ヘアマニキュアは決して「持ちの悪い染め方」ではありません。
むしろ、髪への負担を最小限にしつつ、美しい発色を維持できる優れた選択肢の一つです。









