毛量調整に対する一部の美容師の懸念は、しばしば経験不足や誤解、あるいは極端なこだわりから生じることがあります。私は毛量調整を支持する立場から、この技術が適切に行われた時にもたらされる好影響をお伝えしたいと考えています。
自動車の運転を例にとると、運転には事故のリスクが伴いますが、それを理由に全く運転しなければ、得られる利点もありません。毛量調整も同様で、リスクを完全に避けることは可能かもしれませんが、それによって得られる髪の美しさやスタイリングの幅、日々のケアのしやすさなどのメリットを逃すことになります。適切に行われた毛量調整は、髪の質感を尊重しつつ、扱いやすさを向上させ、スタイリングの多様性を広げ、日常のお手入れを楽にします。
お客様が日々のお手入れで合格点を目指すのか、完璧を求めるのかによって、そのアプローチは異なります。私たちは、お客様一人ひとりの目標やライフスタイルに合わせたヘアスタイルを提案し、両方の目標に対応できるように心がけています。
毛量調整に伴うリスクや懸念は、適切な知識と技術、お客様への丁寧なアフターケアの説明によって最小限に抑えられます。経験の浅さからくる不安も、学びと実践によって解消されることが多いです。美容師が毛量調整を含む技術を習得し、お客様のニーズに応える能力を高めることで、満足度を向上させることができます。
私がこれまで多くの美容師と仕事をしてきた経験から見て、毛量調整に対して否定的な意見を持つ美容師の中には、非常に几帳面で神経質な傾向がある方が多いことが分かります。美容師はヘアスタイルが全体として美しくまとまることを最優先に考えるべきですが、中には、表からは見えない切断面の仕上がりにまで極端なこだわりを示し、時には本来の目的を見失い、手段と目的が入れ替わってしまうことがあります。美容師が技術的な完璧を追求するあまり、客観的な美の基準を見落とすことが起こり得ます。毛量調整は適切に行われれば、髪の扱いやすさを改善し、お客様の日常生活に実用的な利益をもたらすことが多いのです。
Suzeでは、特に中高年の方々にも適した、アイロンやスタイリング剤の使用を前提としない独自の毛量調整理論を提案しています。これにより、お客様の髪の美しさと健康を長期間保つことを目指しています。
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